テレビCMやお店で「冷やし中華、始めました」を見かける季節になりましたね。
個人的には、まだ早くない?と思いつつ、ちょっとした日常にホッとしてしまいます。
映画は好きでよく観るんですが、それを文章にして共有するというのがどうにも難しく感じて今まで敬遠していました。
けれども、ちょっとした日常に背中を押されたので、外出自粛中の参考になればと思いPCに向かっています。
先週更新されたブログの中で、運命を変えられるなら、というタイムスリップについての内容がありましたね。
その記事内では映画「バタフライ・エフェクト」の名前が挙がっていました。
主人公の選択という蝶の羽ばたきは、未来でどんな嵐を起こすのか。ラストの主人公の選択が興味深い作品です。
まあ、今回は違う作品を紹介するんですけれども。
今回紹介するのは、こちら。
『きみがぼくを見つけた日(2009)』
遺伝子異常で自分の意思とは関係なくタイムスリップしてしまう男ヘンリーと、ヘンリーに出会い彼を愛した妻クレアのお話。
英題は「The Time Traveler's Wife」2003年に発表された小説が原作の作品です。
邦題だと主人公はヘンリー、英題だと妻クレアが主人公に見えるのが面白いところですが、個人的にはタイムトラベラーの男と恋に落ちた”妻”のお話だと思っています。
幼い頃から自分の意思とは関係なくタイムスリップしてしまう体質のヘンリーは28歳の時、20歳のクレアに出会う。しかし、この時点でクレアはヘンリーに会ったことがあり、未来から来たヘンリーに出会い、恋をして、出会うその時を待っていたんですね。
この物語の中でのタイムスリップとは、遺伝子異常により起こる病気として周囲は認識しており、不意にその時代から身体だけ消えてしまうヘンリーとの結婚は幸せなだけではありませんでした。
けれども、その時知り得なかった本心を違う時間から来た自分だからこそ知ることが出来る。過去の自分の選択が、未来の自分の行動が、二人が生きる人生を作っている。
「待っているだけの人生なんて送らなくていい」
ヘンリーが妻クレアに伝える言葉ですが、きっと、彼女はこれからもずっとずっといつか来る彼を待ってしまうんだろうなぁ。
タイムスリップといえばSFジャンルのイメージですが、これは誰がなんと言おうとラブストーリーです。
もちろん異論は認めます。笑
冒頭でバタフライ・エフェクトについて少し触れましたが、この作品、バタフライ・エフェクトは起こらないんですよね。
「未来に起こるべきことは、すでに起こっている」というタイムスリップ観を一貫しており、タイムスリップによくある運命の選択なんてことは起こりません。いつどの時代に現れるヘンリーも、すべて同じ時間軸の上にいるヘンリーなんです。
きみに読む物語のレイチェル・マクアダムス主演の作品ではあるものの、About Timeなどその後の作品に埋もれがちな本作ですが、今、過ぎている時間を考える良い機会になると思います。
ぜひ、大切な人と観てみてください。