2020/05/25
オススメの本その16『ちいさなちいさな王様/アクセル・ハッケ 著』【CAD 派遣 求人 アルファコーポレーション・ALNET】
オススメの本その16
今回、おすすめの本その16で紹介するのは、
『ちいさなちいさな王様』
作:アクセル・ハッケ
絵:ミヒャエル・ゾーヴァ
小説ではなく絵本をご紹介します。
初めて読んだのはおそらく小学校低学年のころ。
姉が読書感想文を書くために買ってきたのを一緒になって読んだのを覚えています。
読めない漢字が多かったのも覚えているのでおそらく低学年のころかなぁと。
大きく生まれて歳をとるごとに縮んでいく王様と、サラリーマンの男の絵本。
ベンジャミンバトンみたいに若返るわけではないので、
長年生きた王様はたっぷりのお腹をしている壮年の男性の姿をしています。
好物はグミベア(くまの形をしたグミ)で、
怒った時にたくさんの角砂糖をコーヒーカップに投げ入れるシーンが大好きでした。
◆大人向けの哲学絵本◆
男の部屋の本棚の隙間から突然現れた小指ほどのちいさな王様は、
つまらなさそうに日々を送る主人公を不思議そうに眺めます。
大きな体で生まれて、生まれた時からなんでも知っていて、
歳をとるごとに小さくなり、知識も、出来ることも減っていくけれども、
想像の世界は大きくなっていく。
想像の世界では何でもできるし、何にだってなれる。
そのうち、見えないほど小さくなって、
いるのか、いないのか、もしかしたら…。
読んだ当時は、無邪気で自由な王様が子供っぽくて、
サラリーマンの僕が彼の相手をしてあげているお話に見えていましたが、
大人になってから読み返すと、何をするのもしないのも自由な王様が、
気まぐれで僕の相手をしているんだなぁとしみじみ。
大人になるということ、考え方や感じ方、
出来ること出来ないこと、良いこと悪いこと、
いつ読んでも何かしらの問題提起が胸に刺さる大人向けの絵本。
可愛らしい絵柄に癒されつつ、何か考えたいときに読むには打ってつけの一冊です。