その⑨で「半落ち」についてお話しましたが、
今回も小説原作の映画を巡ろうかなと思います。
今回は『博士の愛した数式(2005)』
察しのいい方はお気づきかもしれませんが、
どちらも寺尾聰さんが主役を演じています。
母親の影響か、好きなんですよね。寺尾聰さん。
それはさておき、あらすじをざっくりと。
◆あらすじ◆
派遣の家政婦として働く杏子は、
元数学者の「博士」のもとに派遣される。
博士はかつて事故にあった影響で、記憶が80分しか持たない。
自身の記憶が持たないことを知っている博士は、
大切なことはメモに書いて残し、未来の自分へ伝えていた。
ある日、杏子に息子がいると知り、
働いている間一人で家にいさせるのは
可哀想だという博士の言葉により、
息子と一緒に博士のもとに通うようになる。
博士は息子を「√(ルート)」という愛称で呼び、
ルートもまた博士に懐いて、三人は穏やかな時間を過ごした。
徐々に記憶できる時間が短くなり、博士は施設に入ることになる。
それからも博士に会いに行っていた親子であったが、
ルートが22歳の時、博士はこの世を旅立った。
小学生だったルートは数学教師になり、
博士との心の交流は、
次の世代へ受け継がれていく。
個人的には小説のほうが好きです。
それなのに映画ブログとして書いている理由は、
この作品を知ったきっかけが映画だったからですかね。
映画だけ観たよという人には、ぜひ小説も読んでもらいたい作品。
展開や内容が少し違っていて、より透明度の高いのが小説。
展開を持たせるために色を含めたのが映画。という感じ。
分かりやすく言えば、小説のほうが登場人物が純粋です。
私が学生の頃の苦手科目は数学だったわけですが、
この物語に出てくる数式たちは、
式それぞれが性格を持っているように描かれていて、
こういった内容から数学を教えもらえれば、
もっととっつき易かったのかなぁなどと思うわけです。
なんて言いつつ、初めて読んだのが中学生かそこらだったので、あんまり関係ないのかもしれません。
数学と文学という分野違いの二つが、
一つの物語として違和感なく共存している作品。
数字の持つ意味を知ることで、
少し数字を好きになれた気がしました。