コロナ下の生活が長引く中で、うつ病・うつ状態の人が
コロナ前の凡そ2.2倍にまで増加しているそうです。
日本人口の20%弱がうつ状態だという調査結果も出ています。
もはや他人事とは言っていられない現状ですが、
10月10日は世界メンタルヘルスデーということで、
1日過ぎましたがこちらの絵本を紹介しようと思います。
(ちなみに本日10月11日は”国際ガールズ・デー”だそうです)
『I Had A Black Dog/マシュー・ジョンストン』
うつ病患者の見る世界を「Black dog(黒犬)」で表現した絵本です。
動画を貼っておくので気になった方はぜひ見てみてください。
(※日本語訳がわかりやすいものを載せました)
この絵本では、平易な言葉でわかりやすく淡々と
黒い犬と過ごす日々が描かれています。
うつ病を黒犬で表す考え方は、イギリス首相チャーチルが、
自身を苦しめるうつ症状を「黒い犬」という風に表現したことから広まったようです。
(黒い犬が不吉な物という考え方自体はイギリスで古くから見られるそう。)
時折、犬が悪者にされているみたいで嫌だという感想を目にしますが、
犬に対して悪意を持って書かれているものではないので、
そういう文化を背景に書かれた文章だというバックボーンを認識して読むと、
見え方も変わるんじゃないかなと思います。
黒い犬たちはそれぞれユーモアのある表情で描かれていて、
たくさんの犬たちはその多様性を表しているように感じました。
犬に例えられていることもあって、
うつというものが、絶対に対立するべき敵ではなく、
身近にいて寄り添うものであるということがストンと入ってきます。
皆さん自身や大切な人の周りに黒い犬がやってきた時、
この一冊が理解の一助になればいいなと思います。
変化の激しい昨今ですが、少しずつ新しい日常を迎えられるように、
自分のペースを大切に、皆さんどうぞご自愛ください。