映画探訪 その㊼~倫理観と芸術とオススメは出来ない映画~【CAD 派遣 求人 アルファコーポレーション・ALNET】
映画探訪47

中世ヨーロッパにおいて貴族の娯楽はもっぱら芸術鑑賞でした。

絵画、オペラ、彫刻、建築。

贅の限りを尽くしたそれらは、やがて大衆の娯楽にもなっていきます。

 

ということで、今回は18世紀に実在した声楽家の人生を描いた作品を巡ります。

先に言っておきますが、

かなり人を選ぶ作品になるので観る際はご注意ください。

(というか、気になった人以外は観ない方がいいかもしれません)

 

カストラート(1994)

◆あらすじ◆

カストラート。

その非人道的な手法から、現代では禁忌の存在である

彼らの歌声は「天使の歌声」と呼ばれ、天に最も近いものと考えられた。

 

中でも類稀なる歌声と才能を持った至上のカストラートがいた。

ファリネッリ、実の名前をカルロ・ブロスキ。

彼の歌声は耽美で官能的であるのにどこまでも透き通っている。

 

その歌声に魅了された人間は数知れず、実の兄ですら例外ではなく、

ファリネッリの歌声に取り憑かれた兄は弟のために曲を書き続け、

弟は兄のためにそれを歌った。

 

歪な親愛の中で、お互いはお互いのために没頭していく。

その声の裏に兄の罪が潜んでいたとしても・・・。

余りに痛々しく、無上の響きをもって、侵されていく倫理観

皆さんはカストラートの存在をご存じでしょうか。

かつて、教会で女性が声を発することが禁じられると、

その代替としてボーイソプラノが讃美歌を歌うようになりました。

 

そのあまりに美しい歌声は神秘的ですらあり、

いつしか、その歌声を維持しようと変声期前の少年の

第二次性徴を人為的に止めるという施術が生まれます。

そうして“作られた”のがカストラート。

 

非人道的な行為ですが、当時の人口増加や経済難を受け、

特に下層階級では口減らし且つ小金稼ぎの目的で

数多くの少年がカストラートに作り替えられたそうです。

 

そんな仄暗い背景を持つカストラートですが、

成人男性の声量で高らかに奏でられるボーイソプラノは

他に形容できない唯一無二のものだったと言われています。

 

カストラートの歌声は男声では再現できないため、作中では、

女声ソプラノを音声変換で男声に近づけたものを

男声カウンターテナーに合成して、あたかも男性の声で

ソプラノが歌われているかのように再現しているそうです。

 

至高のカストラートとされたファリネッリの歌声は

観る者を失神させたという記述が各地に残されているほどですが、

現在では、最後のカストラートとされるモレスキの音源が

残っているのみであり、それも最盛期のものではないため

実際にはどれほどのものだったのか知る由もありません。

 

もう聴けないと思うと聴いてみたくなりますよね。

え?・・・いやいや冗談ですよ。

 

冒頭にも言いましたが全くもってオススメはしません()

個人的には面白いという感想こそないものの、

内容や背景が史実に沿っているので当時の人々の価値観や

最盛期を誇る芸術的なオペラを興味深く鑑賞しました。

 

(余談も余談ですが、史上初めて市販された映画DVDがこの『カストラート』だということです。
 DVD業界、なんともマニアックな・・・。
 新しい試みの映画を新しいソフトで出したかったんですかね。踏み絵的な。)

以上、CAD・派遣・求人の㈱アルファコーポレーションでした。
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