前回、ナフサ不足が我々の生活に与える影響についてでしたが、
今回は、日本経済にとってどのような影響があるのか、、、
1. 食料品・日用品の「隠れ値上げ」や「内容量減少」
スーパーやドラッグストアで目にする商品の多くが、ナフサから作られるプラスチックを使っています。
食料品だと、商品パッケージ、ハムやチーズのフィルム包装、お惣菜のプラスチックトレーなどが、ナフサ由来のプラスチック(ポリスチレンやポリプロピレンなど)です。
これらが高騰すると、メーカーは商品の値段を上げるか、または「実質値上げ(内容量を減らす)」という対応をとらざるを得なくなります。
日用品だと、詰め替え用のシャンプー袋、洗剤のボトル、食品保存用のラップやジッパー付きバッグも価格上昇の影響を受けます。
2. 電気・ガス料金への波及
ナフサは化学原料としてだけでなく、ガソリンや軽油などを作る際の燃料としての性質も持ちます。
石油化学コンビナートが操業を維持するためのコスト(エネルギーコスト)が上がると、そのコストは最終製品へ転嫁されます。
また、石油由来の燃料による発電コストも上昇するため、長期的には電気・ガス料金の調整額に影響を与え、光熱費が上がりやすくなるという構造があります。
3. 衣料品や靴などの選択肢減少・価格高騰
「合成繊維」の多くは石油から作られています。
ポリエステル、ナイロン、アクリルといった素材は、ナフサから誘導される化学品が原料です。
これらが不足すると、Tシャツ、スポーツウェア、下着、靴などの衣料品価格が全体的に底上げされます。
特に安価な衣料品ブランドほど、原料コストの上昇が価格に直結しやすいため、家計へのインパクトが大きくなります。
4. 配送・物流経由の物価高
ナフサ供給が不安定になると、原油の精製サイクル全体に影響が出ることがあり、ガソリンや軽油の価格に波及することがあります。
トラックなどの輸送コストが上がると、野菜や鮮魚などの生鮮食品をスーパーへ運ぶ費用も上がります。
たとえその商品自体がプラスチックを使っていなくても、「運ぶためのコスト」が上がることで、結果として野菜や魚の店頭価格も上昇します。
5. 家電やスマホの買い替えタイミングへの影響
プラスチック樹脂は家電製品の筐体(外装)や内部部品に不可欠です。
メーカー側がプラスチック部品を安定的に調達できなくなると、新製品の供給が遅れたり、在庫が不足して値引きがされにくくなったりします。
結果として、買い替えたいときに安く買えない、あるいは納期が長引くといった不便が生じる可能性があります。
専門家の見立てでは、、
このナフサ高騰による値上げ局面は2026年内は高止まりし、
本格的な落ち着きは2026年末から2027年前半になると予測されています。
ナフサ不足による影響は、
「特定の贅沢品がなくなる」というよりも、「生活のあらゆる場面で少しずつ支出が増える(インフレが加速する)」という形で現れます。
包装資材や物流費の高騰は、一度上がるとすぐには下がらない傾向があります。
日用品のまとめ買いや、代替品(プラスチック容器以外の保存容器など)の活用などで、コスト増を少しでも吸収する工夫が求められるかもしれません。









