オススメの本その36『ギフト/日明恩 著』【CAD 派遣 求人 アルファコーポレーション・ALNET】
夏の読書感想文シリーズ第二弾その②!! (全2回)

夏休み前に何とか間に合わせた

『読書感想文シリーズ第二弾その2(全二回)』!!

 

夏だしホラー小説・・・と思ったけれど、

ホラー小説は読書感想文と相性が悪そうなのでまたいつか。

 

■『ギフト』/日明恩(タチモリメグミ)

幽霊が見えることで孤独に生きていた少年 明生。

過去の悔恨から孤独を生きていた元刑事の須賀原。

 

レンタルビデオ店のとある作品の前で涙を流す明生は、

幽霊から見せられる死の瞬間におびえていた。

幽霊が見えるだけのただの学生。

なのに、それでも何かを訴えるように幽霊は現れる。

 

須賀原と出会ったことで、

なぜ幽霊が見えるのかに向き合い始めた明生は、

須賀原と共に幽霊の想い残しを昇華する手伝いをしていく。

 

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学生の頃に読んだ作品ということで『カラフル』(森絵都)と迷ったんですが、

知名度的に紹介するならこっちかなと。

両方とも人の死とその周りの人物の人生に焦点を当てた作品で

ホラーで連想したのは言わずもがなですね。

(相性が悪そうと言っておきながら・・・笑)

 

読んだのがおそらく発売当初だと思うので14年前。

さすがに細かくは覚えていないのでレビューを見ていたんですが、

タイトルの「ギフト」が解釈にゆとりがあって、

読者の様々なレビューになるほどと思う部分がたくさんありました。

英語でギフトと言えば

「贈り物」という意味のほかに「(天賦の)才能」という意味で使われることが多いですよね。

 

自分は後者の意味で捉えてこの小説を読んでいたので、

明生が自分の能力、その生き方に向き合う物語だと感じたのですが、

「贈り物」として見てみると、結構ポジティブなメッセージのある物語にも見えてきます。

 

「自分を取り巻く世界はいいことばかりじゃないけど

 向き合ってみれば悪いことばかりでもない」みたいな。

 

孤独の中で生きようとしていた二人が、

明生に見つけてもらえなければ永遠に孤独を彷徨うはずだった幽霊たちと関わり、

周囲や故人の、人が誰かに抱く想いに目を向けたことで、

自分を雁字搦めにしていた孤独から一歩踏み出す決意をします。

 

そして明生にとって、須賀原に信じてもらえたこと、

須賀原を救えたことは、幽霊が見えてしまう自分を

いつか肯定できる何かにはなったのではないでしょうか。

 

人生に付きまとう“幽霊が見える” という「才能

それによってもたらされた出会いや感情という「贈り物

どちらも“ギフト”という英訳になるわけですね。

 

 

ということで夏の読書感想文シリーズ第二弾、完走!

 

昨年紹介した『MOMENT』は死を間際にした生者の、

今年の『ギフト』は想いを抱えて現世に留まる死者の、

“願いを叶える”という点でどこか対になるようなお話でしたね。

お盆も近いということで、諸行無常について思いを馳せるのも

日本らしい夏の過ごし方なのかもしれません。

 

今年もお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、良い夏休みを!

以上、CAD・派遣・求人の㈱アルファコーポレーションでした。
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