そろそろ「何回この本に関する記事を書くの?」と聞こえてきそうですが、
現在発売済みの作品をすべて読み終えたので、せっかくだし振り返ろうかなと思います。
過去の記事①(https://www.alpha-corp.jp/2024012922759.html)
過去の記事②(https://www.alpha-corp.jp/2024020522760.html)
特捜部Qシリーズのざっくりしたあらすじは以下。
殺人事件の捜査中に襲われ、部下二人を失っただけではなく、
自身も生死をさまよいPTSDを抱えてしまった刑事カール・マーク。
部署の中でも扱いづらい存在となってしまったカールが配属されたのは、
政治家の都合で新設された、未解決の重大事件を捜査する部署『特捜部Q』だった。
お飾り部署のはずが、雑用(からいずれ助手に昇格する)謎多きアラブ人アサドと、
優秀だがその真を掴ませないパンク女子ローセ、
ローセにゾッコンのもやしエリートのゴードンという仲間も増やして次々と成果を上げていく。
襲撃事件以降やや無気力なカールの刑事としての本能を擽る難事件の数々に加え、
自身にトラウマを植え付けた事件の疑念や疑惑、黒い思惑がカールに忍び寄る。
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特捜部Q―檻の中の女―『Kvinden i buret』(檻の中の女)
・船上の事故死とされた女性政治家失踪事件。特捜部の捜査によって事故と思われた事件が実は誘拐だと判明。
数年にわたる誘拐監禁事件の結末とは。
特捜部Q―キジ殺し―『Fasandræberne』(キジ殺し)
・新メンバー、ローセ登場。名門寄宿学校同窓のエリートたちの享楽殺人に挑む。
特捜部Q―Pからのメッセージ―『Flaskepost fra P.』(Pからのボトルメッセージ)
・カールの手元に舞い込んだボトルメッセージ。
中には「助けて」の文字とPのイニシャルが書かれていた。
特捜部Q―カルテ番号64―『Journal 64』(ジャーナル64)
・不可解な車両事故はやがて無関係な男女5人の行方不明事件を浮かび上がらせる。
無関係に見えた5人はとある人物の一点で繋がっていた。
特捜部Q―知りすぎたマルコ―『Marco Effekten』(マルコ効果)
・窃盗集団で育ったマルコの脱走。その先で知る事実が一つの事件を象り始めると、
暗殺者/窃盗団/警察までもがマルコの捜索を開始する。
特捜部Q―吊された少女―『Den grænseløse』(リミットレス)
・木に吊るされた状態で発見された少女の死亡事件に取り憑かれた刑事が退官式で自殺を図る。
死の直前彼が残したのは特捜部Qへの捜査依頼だった。
特捜部Q―自撮りする女たち―『Selfies』(自撮り)
・とある殺人事件と過去の未解決事件の共通点を見つけた元担当刑事で元上司は、その事件の解決を特捜部Qに持ち掛ける。
やがてそれは現在の連続殺人事件とも符合を見せ…。
特捜部Q―アサドの祈り―『Offer 2117』(オファー2117)
・シリア難民の亡命中に起こった悲劇的な事故の報道で恩人の死を知ったアサドはその裏のメッセージに戦慄する。
誰にも語らなかったアサドの過去の因縁がここに帰着する。
特捜部Q―カールの罪状―『NATRIUM CHLORID』(塩化ナトリウム)
・カールの記憶に色濃く残る事件の遺族が自殺し、現場に残された不自然な食塩を頼りに特捜部Qで再捜査を行う。
一方で、カールに麻薬取引の嫌疑がかかり捜査の手が迫っていた。
気分で原題と直訳を記載してみました。
割とそのままですが、最新二つは日本版タイトルと結構乖離がありますよね。
『Offer 2117』はともかくとして『塩化ナトリウム』はタイトルとしてちょっとお洒落さに欠けるからか、などと思ったり。
個人的に一番好きなのは『アサドの祈り』かなぁ。
綺麗に解決+前向きなエンディングで読後感が良かったです。
ハラハラ感で言えば『檻の中の女』『知りすぎたマルコ』も捨てがたい。
捜査の過程やトリックが面白かったのは『カルテ64』ですかね。
それまでの3作品にはなかったトリックで、
こういう見せ方もする作家さんなのか!と驚きもありました。
各巻では、メインストーリーとなる事件の他に、
カールのトラウマとなった殺人事件やアサドの正体など、
シリーズを通しての謎の解明が進められており、
事件が進展する度にカール達が辛い思いをするんですが、
これがね、巻数が進むにつれて登場人物に愛着も沸いているので読者も辛いんですよ笑
みんな良い人なのになんでそんな仕打ちを受けなきゃいけないの…となってしまうので、
ページを捲りたいんだか捲りたくないんだか。
「次の場面ではきっと好転しているはず!」と思いながら読んでいました。
持ち越される問題もありますが、
基本的にその話の中で落ちをつけてくれるのでモヤモヤ感がないのも良い所。
最新刊を読み終えて、シリーズは残すところあと一作となりました。
カールにトラウマを植え付けた因縁の事件はどのように決着するのか。
ここでややこしやポイントなんですが、
本土では刊行済みの10巻の英語タイトルが「Carl's Guilt(カールの罪状)」。
9巻の邦題どうにかならなかったのかと思いますよね。
あれでしょうか。
内容に即してつけたらまさかの先取りしちゃったってやつでしょうか。
ちなみに原題は『Syv M2 Med Lås』(ロックのかかった7平方メートル)とのことです。
ちなみに世界的人気作なので全作品映像化計画が進行中とのこと。
映画は6巻「吊るされた少女」まで公開済み。
2025年春にはNetflixでドラマ「Department Q」が配信され、
ヨーロッパのみならず英語圏でも支持を得ているようです。
日本ではなんと本日(10/20 AM 0:30)から
WOWOWシネマで映画シリーズが毎日一作ずつ配信中!
今後も目が離せない注目作。
とりあえず今は最終巻の翻訳が待ちきれませんね!









